遺伝子工学の初期の応用研究 5
その他の医療用タンパク質も、明らかに遺伝子工学の主要な目標になりえます。
成長ホルモンは、人間の死体から取り出せますが、このホルモンを必要とする1入の患者を1年間治療するだけでも、70体分のホルモンが必要です。
この物質についても、豊富な供給の必要に迫られています。
これらのタンパク質を工業的に生産する工程は、遺伝子工学の技術的方法とほぼ同じです。
初期の成果はプラスミドの遺伝子学だけを応用したものであり、組換えDNA研究の特徴といえる洗練されたDNAの切り貼り操作は、一切行っていません。
一般にプラスミドは、単なる情報の運び屋としての遺伝子ではなく、そのプラスミドを携えている細菌の生死を左右する重要な遺伝子を含んでいます。
特に、シュードモナス属の土壌菌の体内に存在するプラスミドは、石油に含まれているような複雑な炭化水素を分解する遺伝子をもっており、その分解産物として、細菌に役立つ物質を産生します。
このプロセスは非常に複雑で、少数の酵素だけで営むことができるような代物ではありません。