時間に縛られた労働
機械時計がつくり出す時間は、抽象的時間であり、知性的時間です。
その抽象的・知性的時間とともに近代が始まります。
ですから近代とは、神ではなく、人間が時間を制御し、人間が時間を支配する時代です。
・・・その結果、人びとの労働に根本的な変化が起こりました。
つまり・・・
自然的時間によって支配された農業社会では、職人の仕事といえば時間に縛られないで、何時間でも何日でも満足するまで時間をかけて良い作品をつくるという、作品中心の労働でした。
そうした社会では仕事と生活との間にあまり区別がなく、働くことと1日の時間をすごすごととの間に大きな対立はなかったのです。
ところが近代的時間の成立とともに、仕事はいまや時間に縛られた賃労働へと変わっていきます。
これはまだD&G 時計のような腕時計が一般に普及していない頃の話です。